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よーじ通信

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札幌市の同性パートナーシップ制度について解説するよ【全国で6例目】

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札幌市が平成29年度から、政令指定都市で初めて、同性パートナーシップ制度を導入することが決定しました。同性パートナーシップ制度は現在、渋谷区、世田谷区、伊賀市、宝塚市、那覇市で導入されており、札幌市は全国で6番目の自治体となります。

それでは札幌市の同性パートナーシップ制度について解説していきます。

 

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同性パートナーシップ制度とは

日本国内では、異性間であれば婚姻を結べる法律があります。また、婚姻届を出さなくても、内縁関係と言って婚姻に準ずる関係として認められる仕組みがあり、事実上婚姻関係にある場合と同じように、国内の制度を利用することが可能です。

しかしながら、同性間は婚姻はおろか、内縁関係も認められていません。

例えば、どんなに愛し合っていたとしても「家族」として認められていないため、医療機関で家族としての同意書のサインはできませんし、面会謝絶状態で面会することはできません。また、本人及び家族のみへの告知も、聞くことはできません。

保険金の受取りが認められなかったり、遺産として家を受け取ることもできません。何十年も共に暮らしていても、パートナーが亡くなった瞬間に家を失う可能性があります。婚姻が結べないことのデメリットはそれだけに限りません。

異性愛も同性愛も同じように人を愛する権利を持っていますが、婚姻においては同性愛者だけが与えられていない権利ということになります。

それを解消するために、自治体は同性パートナーシップ制度を導入しています。 

外国のパートナーシップ制度

フランスでは、同性に限らずパートナーシップ制度が制定されています。PACS(パックス)という、婚姻関係にあるのと同等の権利が受けられる制度です。

民事連帯契約 - Wikipedia

これは、同性に限らず、異性間でも利用することができます。

  • 名字が変わらない
  • 裁判所に申請する
  • 片方の申し立てにより関係を解消することができる

というシステムで結婚よりも簡易的な制度になっています。

養子縁組は認められていませんが、それ以外は婚姻と同等の待遇を受けることができるので、婚姻よりも気軽に利用できるメリットがあります。

ちなみにフランスでは、同性間の結婚も認められています。本来は同性間の権利拡大のために作られた制度ですが、今では異性間で使う人が増えているようです。

札幌市で始まるパートナーシップ制度

2017年4月より開始するこの制度は、20歳以上の札幌市内在住者(転居予定でも可)の性的マイノリティを対象としています。

条例ではなく要綱なので、法的拘束力は一切ありません。

ちなみに条例として定めているのは、渋谷区のみで、他は札幌市と同じように【要綱】での制定です。これを俗に世田谷法式と呼んでいます。

札幌市で始まるパートナーシップ制度は、政令指定都市で初めて導入されるだけではなく、異性間でも利用する事が可能です。

日常生活において、経済的、物理的、精神的に協力し合うことを約束した、一方または双方が性的マイノリティーである関係を公的にカップルと認める。(2017/02/02北海道新聞社説より)

 これを持ってして「異性間」でも利用できると言われていますが、ここで言う「異性間」がどのような意味なのか情報が足りず断定することができません。

 

札幌市、LGBTカップル認定制度導入へ 4月から:朝日新聞デジタル

これによると、以下のように記載されています。

同性だけでなく、異性のカップルも利用できるようにしたのが特徴だ。トランスジェンダー(心と体の性が一致しない人)の場合、戸籍上は異性のカップルであっても、それが自ら考える性での結婚とはならないケースがあるからだ。

『 戸籍上は異性であっても、自らの望む性での婚姻にならない』というケースがどのような場合なのか整理する必要がありますね。

性的マイノリティにおける性別について

昨今、LGBTと呼ばれている性的少数者を限定的に指す言葉がありますが、これはレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーのことを指しています。

しかし、性的マイノリティはLGBTだけに限らず、当事者ですら全てを把握していないほど様々なカテゴライズがあります。その全てを説明することは難しいので、ここではその多くをとりあえず省略します。ご了承下さい。

性的マイノリティは、好きになる性別【性指向】と、自覚する性別【性自認】という2つに対する性が混同して説明されることが多く、わかりにくくなります。

性自認における性別

  • 戸籍上男性→男性を自認
  • 戸籍上女性→女性を自認

これらをシスジェンダーと呼びます。

  • 戸籍上男性→女性を自認 MtF(Male to Female)
  • 戸籍上女性→男性を自認 FtM(Female to Male)

これらをトランスジェンダーもしくはトランスセクシュアルと呼びます。*1

これらは、自覚する性別ですから、好きになる性別【性指向】との関連性はありません。

FtMやMtFは、一定の条件を満たせば、戸籍上の性別を変更する事ができますので、戸籍上の性別を変更している人としていない人が存在します。

性指向における性別

まず【同性愛】というのは、自分が自覚するの性別と相手が自覚する性別が同じ場合を指します。

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これらは全て同性愛に分類されます。このように、体や戸籍上の性別ではなく、互いに自覚する性別が同じである場合を【同性愛】とカテゴライズしています。 

性的マイノリティにおける異性・同性

性自認と性指向は同じ【性】ですが、そこには一切の関連性がないことが、なんとなくおわかり頂けましたか?

 

さて、ここで先程の札幌市のパートナーシップ制度に話を戻しましょう。

同性だけでなく、異性のカップルも利用できるようにしたのが特徴だ。トランスジェンダー(心と体の性が一致しない人)の場合、戸籍上は異性のカップルであっても、それが自ら考える性での結婚とはならないケースがあるからだ。

FtM(戸籍上女性)とシスジェンダーの女性(戸籍上女性)の恋愛は異性愛か、同性愛か、どちらだと思いますか?

これらは一般的に【異性愛】になります。*2

しかし、戸籍上は同性でありますので、ここで言う「戸籍上異性」には当てはまりません。 

「 戸籍上は異性であっても、自ら考える性での結婚とはならないケース」というのは

  • FtM(戸籍上女)とシス男性
  • MtF(戸籍上男)とシス女性

のカップルがあてはまると言えますね。このようなカップルは、結婚すれば良いんじゃね?と思うかもしれませんが、そうはいかない理由があります。

というのも、FtMやMtFが戸籍上の性別を変更する際、性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律によれば【現に婚姻していないこと】という条件が存在します。

戸籍上の性別を変更する予定のないFtMやMtFが同性愛者の場合は通常の婚姻関係を結ぶことは理論上可能ですが、ここは本人の意識がどうあるか、ということが重要ですから、第三者が「それでいいじゃん」というわけにはいかないところです。

とにかく、戸籍上の性別を変更する場合は、婚姻していたとしても離婚する必要があります。

さらに、戸籍上の性別を変更した場合、戸籍上同性になります。そうなると、現状の法律では、結婚できません。

つまり、結果として同性パートナーシップ制度を利用する対象となります。

これまでの同性パートナーシップ制度は戸籍上の性別が同性同士しか認められていませんでした。しかし札幌市は、初めて戸籍上の性別が異性同士であっても利用できると謳われています。

これはより多くの性的マイノリティを救う制度となることでしょう。

まとめ:異性愛者は利用できないのか?

パートナーシップ制度をシスジェンダー同士の異性愛関係であっても利用できたら、全員にその権利が与えられるので、より公平性がうまれます。

しかし、今のところそのような事例はありません。

札幌市の事例にしても「性的マイノリティ」と断定していることから、今のところシスジェンダーの異性愛者(ヘテロセクシュアル)が利用できる制度ではなさそうです。

ここでは、札幌市の同性パートナーシップ制度における「異性」というのは、

  • FtM(戸籍上女)とシス男性
  • MtF(戸籍上男)とシス女性

などのケースが利用できると、結論付けたいと思います。

札幌市の同性パートナーシップ制度の利用条件は、戸籍上同性である、もしくは、同性愛者であるということですね。

今後詳細が分かり次第、追記していきます。

 

戸籍上男性で、男性として生き女性を愛する方には、ピンと来ない制度かもしれません。逆も然り。

大きな枠で考えれば、あなたが男性の異性愛者の場合「戸籍上男性かつ性自認男性」であり「戸籍上女性かつ性自認女性」が恋愛対象というだけにすぎません。

数学の組み合わせと同じですね。性別の前提条件が増えれば、組み合わせはその分増えます。2通りしかないと思っていた組み合わせは、実はもっとたくさんあった、というお話です。

誰かにとってマイナスになるような制度ではありません。言うなれば、車椅子利用者のためのスロープであったり、視覚障害者のための点字ブロックであったり、そういうバリアフリーの一環なのだと思います。誰かが幸せになる制度なことは間違いないので、こういう制度が全国に広がっていくことは大変喜ばしいですね。

 

追記:2017/3/17

 どうやら、29年度の導入を延期したようです。延期した分、周知徹底に勤しんで頂きたいですね。

 

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*1:TSとTGの定義は解釈がそれぞれあるため、両方の呼び名を採用しました

*2:制度を利用することは可能です

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