よーじ通信

底辺社内ニートがプログラミングや役に立ちそうなネタを書いています

よーじ通信

那覇市で同性カップルも公営住宅に入居できるようになったってよ

f:id:youji11410:20161126234623p:plain

那覇市で、同性カップルも市営住宅に入居できるようになりました。

 

スポンサーリンク
 

 

同性パートナーシップ制度

那覇市は「多様な性を尊重する都市・なは」宣言をしている沖縄県の県庁所在地です。これをきっかけに、那覇市は同性カップルに対して、結婚と同等の関係と認めるパートナーシップ制度を導入しています。*1この制度は、日本国内では渋谷区、世田谷区、伊賀市、宝塚市、そして那覇市で制定されています。 

日本で婚姻届けが受理されるのは異性間だけ

なぜわざわざこのような制度が生まれたかというと、日本国内において、同性同士の婚姻届けが受理された前例がないため、同性パートナーの権利がほとんど認められていない状況にあることが起因しています。

婚姻についての権利は、憲法24条に制定されています。

第24条 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。

2 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

日本国憲法

 特に、男女でなければならないとは明記されていませんが、「両性」を男女と解釈しているのが現状です。同性の婚姻を認めるかどうかを憲法上の文言についてのみ言及すると「両性」を「男女と解釈」すれば書き換えの必要があります。本来は憲法の書き換えというのはそんな簡単にできるものではないので、便宜的に自治体の権限の範囲で決められる条例を制定したわけです。

しかし、「両性」を「二つの性」つまり、「当事者である二人」と解釈するという憲法学者もおり、この場合は憲法を変える必要も、その他関連法令を変える必要もないのでそんなに難しいことではない、とする意見もあります。

ちなみに、婚姻を管轄するのは法務省です。f:id:youji11410:20161127113621p:plain

法務省:婚姻届

f:id:youji11410:20161127113720p:plain

民法第739条 - Wikibooks

f:id:youji11410:20161127113825p:plain

民法・第4編

民法にも戸籍法にも性別を限定する明記はないのです。つまり法律は同性婚を禁止していない、とも解釈できますね。

 

 また、異性カップルに対しては、内縁の関係*2が成立しますが、同性カップルにはこれが適用されません。

これを人権侵害であるとした市町村が同性カップルに対し、同性パートナー証明書を発行することで、同性カップルにも婚姻関係と同等であるとする条例を制定したわけです。

条例ですので、同性パートナー制度=結婚ではありません。那覇市で同性パートナー証明書を発行したからといって、必ずしも同性パートナー証明書を根拠に婚姻関係と同等の権利が認められるかどうかはわかりません。

例えば、婚姻関係にある者に認められる権利を同性パートナー証明書を持っていたとしても認められないとしてもなんら違法性はなく、法的拘束力がないからです。

 

公営住宅に入居できない問題

第27条 5 公営住宅の入居者は、当該公営住宅の入居の際に同居した親族(婚姻の届出をしないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者その他婚姻の予約者を含む。)以外の者を同居させようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、事業主体の承認を得なければならない。

公営住宅法

公営住宅は、公営住宅法によれば、親族以外の者を同居させることを禁止していません。その判断は事業主体、即ち地方自治体に任せているということです。

国連からこれについて国でなんとかしなさい、と勧告を受けていますが、「今のところ各自治体に委ねています」と回答しています。*3

f:id:youji11410:20161127115045p:plain

 

参考に沖縄県の県営住宅の入居資格者の条件を見てみると以下のようになっています。

入居予定者全員が沖縄県内に住所を有していること。

入居予定者全員が現に住宅に困窮していることが明らかであること。(入居予定者全員が国内に持ち家等(共有持分も含む)を所持していないこと。)

入居予定者全員が都道府県税及び個人住民税の滞納が無いこと。

入居予定者全員が暴力団員でないこと。

沖縄県の定める条件を満たす連帯保証人を立てられること。

2名以上の親族で入居すること。(例外として高齢者・障がい者等は単身入居できる場合あり。)

入居者全員の所得を合算計算した月収額が基準以下であること。

親族という部分が、重要になります。つまり沖縄県は、自治体に決定権がある上で親族としている、ということです。

そんな中、那覇市は同性パートナーシップ制度を利用して証明書を発行したカップルも権利を有するとしたのです。

2016年3月2日時点での入居者募集のしおりによると、以下のように記載されています。

f:id:youji11410:20161127115532p:plain

那覇市の場合は、6親等までの親族ならば入居が可能とのことでしたが、結局親族でなければなりませんでした。同性パートナーが親族になるには、養子縁組*4をする方法しか今現在はありません。これらは結婚とは全く性質の異なるものです。そういうことを踏まえた上で、同性パートナーシップ制度が設けられました。那覇市はこの度、那覇市のパートナーシップ制度を利用している同性カップルにも入居資格があるとしたのです。

 

那覇市の同性パートナーシップ制度のなかみ

f:id:youji11410:20161127011158p:plain

「那覇市パートナーシップ登録」制度についてのお知らせ | 那覇市 Naha City

 

住民票抄本と戸籍抄本を発行する費用はかかりますが、無料で申請することができます。

また、性同一性障害の人は、証明書に記載する名前を通称名にすることが可能です。つまり、必ずしも「同性愛者」である必要はないということです。*5

 

同性パートナーシップ制度でできること

・保険の受取人に指定できる*6

・ドコモ、KDDIにおいて家族割りを適用できる(ソフトバンクは以前よりできた)

・ANA、マイレージサービスに同性パートナーを登録できる

・一部医療機関において、家族としてみなされるため家族以外面会謝絶の場合に家族とみなされる

・一部企業において、結婚に関連する福利厚生を同性パートナーシップ制度の証明書を届ければ利用できる

・那覇市においては、公営住宅の入居に際して、親族として入居できる

 

まとめ

日本で初めて同性パートナーシップ制度が渋谷区と世田谷区で制定されたのは、2015年11月5日のことです。まだ施行されてから一年しか経っていません。

一時の話題になったものの、浸透したとは言い難い状況ではないでしょうか。これから、この制度が誰にとっても生きやすい環境の一つになるといいですね。

スポンサーリンク
 

*1:那覇市内において婚姻と同等の権利を有しますが、法的拘束力はなく、結婚ではありません

*2:内密の結婚。結婚の意思で男女が同居しているが法律上の届出をしていないこと

*3:第6回政府報告審査

*4:

同性愛者(ゲイ・レズビアン)のため養子縁組入門

*5:戸籍上同性である必要はある

*6:アスモ少額短期保険 アクサ生命 第一生命 日本生命 オリックス生命 ジブラルタ生命 チューリッヒ生命 プルデンシャル生命 メットライフ生命

© 2016 よーじ通信